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弥太郎笠
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1960 /東映/白黒・シネスコ 96分
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[監]マキノ雅弘 [原]子母澤寛 [脚] 観世
光太、村松道平 [撮]三木滋人 [美]桂長四郎
[音]鈴木静一 [共]丘さとみ、東千代之介、
田中春男、藤田進、千秋実、大河内傳次郎 |
錦之助主演マキノ作品の最高傑作。モノク
ロが幸いし夢幻的効果をあげている。胸の
すくカッコいい立廻りは言わずもがな、弥
太郎がお雪の為に米をとぎ包丁を使って食
事を作る場面の所作の美しい事……。 |
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清水港の名物男 遠州森の石松
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1958 /東映/カラー・シネスコ 97分
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[監]マキノ雅弘 [原]村上元三 [脚] 観世光太
[撮]三村明[美]川島泰三 [音]鈴木静一
[共]丘さとみ、東千代之介、長谷川裕見子、
中原ひとみ、岩井半四郎、志村喬、山形勲 |
酔いしれる……マキノ節に、錦之助石松の
芝居に。千代之介小政との息の合った掛合
い。丸髷の夕顔の可憐。石松の唄は聞きど
ころで、ここは歌が完全に演技。錦之助が
映画の中で歌う場面では最高。 |
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祇園祭 |
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1968 /日本映画復興協会/カラー・シネスコ 168分
(京都府所蔵フィルム) |
[監]山内鉄也 [原]西口克己 [脚]鈴木尚之、
清水邦夫 [撮]川崎新太郎 [美]井川徳道
[音]佐藤勝 [共]岩下志麻、田村高廣、渥美
清、北大路欣也、志村喬、高倉健、三船敏郎
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東映を出た錦之助が製作に携わり苦労の
末に完成させた大作。京町衆の祇園祭復
興を描く。「神事はなくとも山鉾を渡そう」
と叫ぶ新吉に、再び時代劇映画をという
錦之助の熱い思いが重なる。 |
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若き日の次郎長 東海の顔役
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1960 /東映/カラー・シネスコ 88分 |
[監・脚]マキノ雅弘 [脚]笠原和夫、小野竜之助 [撮]坪井誠 [美]鈴木孝俊 [音]鈴木
静一 [共]丘さとみ、東千代之介、大川恵子、
田中春男、大河内傳次郎、月形龍之介 |
暴れん坊で男気ある長五郎の人柄に自然
と人が寄り、一家が出来る。マキノ作品
で錦之助が次郎長なら、お蝶は丘さとみ
以外になし。闇でなく日向を歩くと宣言
するすっきりした男らしさ。惚れます。
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笛吹童子 三部作
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1954 /東映/白黒・スタンダード 46分、43分、56分 |
[監]萩原遼 [原]北村寿夫 [脚]小川正 [撮]
三木滋人 [美]鈴木孝俊 [音]福田蘭童 [共]
東千代之介、大友柳太朗、高千穂ひづる、
田代百合子、楠本健二、清川荘司、月形龍之介 |
新人待望の時に彗星の様に現れた錦・千
代が瞬く間にアイドルとなり東映が大躍
進する、その始まりの作品。邪悪に克ち
希望をもたらす面を作る菊丸役は錦之助
の清々しさに何とふさわしい事か。
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海の若人
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1955/東映/白黒・スタンダード 93分
(東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵フィルム) |
[監]瑞穂春海 [脚] 舟橋和郎 [撮]佐藤三郎 [美]森幹男 [音]木下忠司
[共]美空ひばり、田代百合子、南原伸二、
高木二朗、船山汎、中原ひとみ、英百合子 |
学生服姿が可愛い錦之助初の現代劇。英
百合子との合唱に母と子のあたたかい情
愛が伝わる。白黒画面なのに海と空の青
さと船の帆の白さが目にしみる。若者の
憧憬や友情を描いた清々しい青春映画。
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ゆうれい船 前・後篇
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1957 /東映/カラー・シネスコ 85分、82分
(錦之助映画ファンの会寄贈プリント) |
[監]松田定次 [原] 大佛次郎 [脚]須崎勝彌
[撮]川崎新太郎 [美]川島泰三 [音]深井
史郎 [共]大友柳太朗、長谷川裕見子、円山
榮子、薄田研二、月形龍之介、大河内傳次郎 |
24歳の錦之助が十代の少年に扮して不思
議に違和感がないのは、彼が少年の瞳を
持ち続けているから。三島雅夫の若者役は
さすがに厳しい。海への憧れ、不正を憎む
心。純粋な少年物では最後の錦之助映画。
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殿さま弥次喜多 怪談道中
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1958 /東映/カラー・シネスコ 86分
(錦之助映画ファンの会寄贈プリント) |
[監]沢島忠 [脚]小川正 [撮]坪井誠
[美]井川徳道 [音]鈴木静一
[共]中村賀津雄、大川恵子、松風利栄子、
雪代敬子、櫻町弘子、杉狂児、渡辺篤 |
錦之助・賀津雄のやんちゃな殿様が市井で自由を楽しみながら国許のお家騒動を
解決。あれもこれもやってみようという
創意工夫。新感覚とエネルギーに満ちた
沢島演出が光る楽しい作品となっている。
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宮本武蔵 般若坂の決斗 |
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1962 /東映/カラー・シネスコ 107分 |
[監・脚]内田吐夢 [原]吉川英治 [脚]鈴木尚之 [撮]坪井誠 [美]鈴木孝俊 [音]小杉
太一郎 [共]入江若葉、江原真二郎、丘さとみ、
木村功、浪花千栄子、三國連太郎、月形龍之介 |
姫路城を出た武蔵が剣に生きる決意をす
る場面が素晴らしい。宝蔵院の試合と般
若野の決闘場面はシリーズ中の白眉。本
五部作が武蔵映画決定版であり、錦之助
代表作の一つである事は言を俟たない。
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一心太助 男の中の男一匹
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1959/東映/カラー・シネスコ 94分
(錦之助映画ファンの会寄贈プリント) |
監]沢島忠 [脚]鷹沢和善 [撮]坪井誠 [美]
井川徳道 [音]鈴木静一 [共]月形龍之介、
中原ひとみ、山形勲、堺駿二、丘さとみ、
花房錦一、進藤英太郎、大河内傳次郎 |
親友沢島の演出で錦之助の地の江戸っ子
キャラを活かした太助が登場。古武士・
月形彦左との出会いが、虚構の映画にか
つてない心の通い合いを生む。一作から
三作に至る家光の演技的成長は驚異。
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花と龍
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1965 /東映/カラー・シネスコ 97分
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[監]山下耕作 [原]火野葦平 [脚]田坂啓
[撮]古谷伸 [美]鈴木孝俊 [音]三木稔
[共]佐久間良子、田村高廣、淡路恵子、
宮園純子、小松方正、佐藤慶、月形龍之介 |
広い天地を求めて故郷をあとにした金五
郎が一介の沖仲士から玉井組を結成する
まで。端正な山下演出に錦之助の男気あ
るキャラクターが生かされる。マンと菊
の花の二重露光撮影が印象に残る。
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独眼竜政宗
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1959 /東映/カラー・シネスコ 87分 |
[監]河野寿一 [脚] 高岩肇 [撮]坪井誠
[美]鈴木孝俊 [音]鈴木静一
[共]佐久間良子、大川恵子、岡田英次、
浪花千栄子、大河内傳次郎、月形龍之介 |
束の間の安らぎに心惹かれながらも自らの
道を進む伊達政宗。月形・大河内との共演、
優秀なスタッフとの出会いで素質を磨いた
錦之助は、自己の鍛練で心の芝居を追究し
数々の作品を輝かせる。 |
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冷飯とおさんとちゃん
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1965/東映/カラー・シネスコ 178分
(東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵フィルム) |
[監]田坂具隆 [原]山本周五郎 [脚] 鈴木尚之
[撮]飯村雅彦 [美]鈴木孝俊 [音]佐藤勝
[共]入江若葉、木暮実千代、千秋実、三田
佳子、新珠三千代、森光子、渡辺美佐子 |
ヒーローでなく、誠実に生きる三人の人間
を錦之助が心を込めて演じる。名匠田坂
が時代劇の王城・東映京都に来たのは錦之
助と仕事をする為。生きる事は決して無意
味ではないと見る者に思わせる作品。 |
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丹下左膳 飛燕居合斬り
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1966/東映/カラー・シネスコ 91分 |
[監・脚]五社英雄 [原] 林不忘 [脚]田坂啓 [撮]吉田貞次 [美]塚本隆治 [音]津島
利章 [共]淡路恵子、入江若葉、金子吉延、
藤岡琢也、木村功、河津清三郎、大友柳太朗 |
錦之助が左膳像をいかに演じたかと、左
の立廻りが見どころ。五社時代劇の面白
さが満載。情婦お藤に対し、萩乃は左膳
のクレメンタイン嬢として描かれる。中村
錦之助時代の最後の東映劇場用映画。
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親鸞
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1960/東映/カラー・シネスコ 147分
(東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵フィルム) |
[監]田坂具隆 [原]吉川英治 [脚]成澤昌茂
[撮]坪井誠 [美]桂長四郎 [音]伊福部昭
[共]中村賀津雄、千秋実、吉川博子、木暮
実千代、丘さとみ、岡田英次、大河内傳次郎 |
形骸化していない本来の仏陀の教えを光
明と求めさまよう親鸞は、人の子として
の悩みにもがき苦しむ。田坂演出で人間
親鸞に挑む錦之助。弟子をあたたかく静
かに見守る大河内慈円の眼差しが深い。
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美男城
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1959 /東映/カラー・シネスコ 93分
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[監]佐々木康 [原]柴田錬三郎 [脚]成澤昌茂
[撮]坪井誠 [美]鈴木孝俊 [音]鈴木静一
[共]植木基晴、丘さとみ、大川恵子、櫻町弘子、
徳大寺伸、薄田研二、原健策、山形勲、柳永二郎 |
御堂主馬之介は裏切者と蔑まれる父の真実
の姿と己が出生の秘密を知る。如何なる悲
運にも屈せず、それを克服して押し戻す力、
振り払う勇気を持つキャラクターは、錦之
助の中に備わったものだ。 |
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続 親鸞 |
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1960 /東映/カラー・シネスコ 127分
(東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵フィルム) |
[監]田坂具隆 [原]吉川英治 [脚]成澤昌茂
[撮]坪井誠 [美]桂長四郎 [音]伊福部昭
[共]中村賀津雄、千秋実、吉川博子、木暮
実千代、岡田英次、大河内傳次郎、月形龍之介 |
門跡の地位を捨て、一沙弥として法然の
門を叩いた親鸞は、玉日を伴侶とし、如
何なる障害にも怯まず不退転の決意で共
に道を進む。月形の法然は厳かで、その
一語一語は心からの慈愛に満ちている。
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源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶 |
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1962 /東映/カラー・シネスコ 98分 |
[監・脚]伊藤大輔 [原] 柴田錬三郎 [撮]
三木滋人 [美]桂長四郎 [音]高橋半
[共]大川恵子、北沢典子、長谷川裕見子、
多々良純、櫻町弘子、戸上城太郎、丹波哲郎 |
演出に品格を持つ伊藤作品第二作。源氏九
郎の影の顔・怪盗初音の鼓と無垢の少女お
喜乃。心惹かれる泥棒長屋のコミュニティ。剣豪
戸上と錦之助の対決がファンには嬉しい。
時代劇映画の醍醐味に満ち溢れた作品。 |
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浪花の恋の物語 |
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1959/東映/カラー・シネスコ 105分 |
[監]内田吐夢 [原]近松門左衛門 [脚]成澤
昌茂 [撮]坪井誠 [美]鈴木孝俊 [音]富永三郎
[共]有馬稲子、千秋実、花園ひろみ、浪花
千栄子、進藤英太郎、田中絹代、片岡千恵蔵 |
ふとした出会いがきっかけで二つの孤独な
魂が寄り添い純愛へと昇華する。内田監督
言うところの心理的立廻りを錦之助は見事
に演じ、千惠蔵近松の情を写した筆によって
「冥土の飛脚」が生まれる。
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反逆兒 |
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1961/東映/カラー・シネスコ 110分
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[監・脚]伊藤大輔 [原]大佛次郎 [撮]坪井
誠 [美]桂長四郎 [音]伊福部昭 [共]岩崎
加根子、杉村春子、佐野周二、北沢典子、東
千代之介、櫻町弘子、原健策、月形龍之介 |
戦国乱世、徳川の家のため若い命を散らせ
た信康の悲劇。主従、夫と妻、親と子の断
ち切れぬ深い思い。熱眼熱手の巨匠伊藤大
輔と錦之助との魂の出会い。時代劇映画の
美学に貫かれた格調高い傑作。
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