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セザムだより 第三号

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新たな展開へ向けて~販売促進の実態~  (2004.3.20)    

前回の『セザムだより』を書いたのが昨年の12月12日。もうどのくらい間が空いちゃったんでしょうかね? このページ、どこのどなたが読んでいるのか、さっぱり分かりませんが、その間「なんだよ、まだ更新してねぇーや」なんて声が、あちこちで上がっていたかもしれません。

私の昔の教え子たちはたまにセザムのホーム・ページを覗いているようなので(メールが届きます)、次の記事をなかなか書かないのはマズイなー、という良心のとがめは私なりに感じていました。しかし、3ヶ月あまり、私は耐えに耐えておりました。
で、今、ついに沈黙を破る!
再び、熱き思いでペンを取る!
本当はパソコンのキーを打ち始める! ですが、これじゃ冴えない。

 

長い間のご無沙汰ほんとうに申し訳ありませんでした。これからはマメに記事を書いていこうと深く反省していますので、何とぞ今後も『セザムだより』をご愛読のほど、よろしく。

 

さて、現在の私の心境は、長いレースを終えたばかりのマラソン走者のよう、とでもいいましょうか。有森さんでしたかね、「自分をほめてやりたい」と名言を残したのは。私は誰にも言いませんが、心の中で独りそうつぶやいて、今の自分を慰めています。(ここに書いちゃったら、みんなに言ったことと同じか!)じつは、この沈黙の3ヶ月間、何をしておったのかと言いますと、『英単語呂源』の第2巻を必死で執筆制作しておりました。そして3月10日に本が出来上がり、もう15日の月曜日からは全国の書店で発売されている! それで、出来栄えはといいますと、これが自分で言うのも僭越ですが、まさに会心の作。マラソンにたとえれば、ベスト記録を自分で塗り替えた感じ(なんちゃって)。
『英単語呂源』第1巻も自分としては傑作で、まだ認定されていませんが日本最高記録くらいに思っていたのですが、第2巻はそれを上回る出来なのです。(自信過剰?)みなさん、ぜひ買ってください。定価1,470円、絶対お得です。

そんなわけで、前回の『セザムだより』の続きに戻ります。確か、「前々から計画していた作戦を実行するので、まあ見ていてください」みたいな、なんとも思わせぶりな最後で終わっていた。

で、その作戦とは何だったのか、第2巻が陽の目を見たい以上、もうある程度バラしちゃってもかまわない時期になったようです。じゃんじゃじゃん! まあ、聞いてください。

『英単語呂源1』が本屋に出回り始めたのが昨年の9月28日。実を申しますと、あの日からあちこちの本屋で自分の本を買い続けていたのです。
昨年末までに全部で192冊、今年に入ってもちょくちょく買っていたので、250冊くらいは買ったと思います。定価1,680円ですから、総額なんと42万円!で、その本をどうしたかというと、初めは私の知り合いで欲しいと言う人、いや欲しいと言わなくても売りつけていました。もちろん定価で。かわいそうに20人くらいの方が被害にあいました。でも、彼らが本屋へ行って買わないでも済むように私が代行してあげたわけです。が、そのうち買ってくれる知り合いもいなくなった。そこでどうしたかというと、本屋で買った本は献本に使ったり、 一部はまた問屋に回したのです。帯が傷んでいるものは、新しい帯に巻き替え、よごれた部分は消しゴムできれいにして……これを業界用語で「化粧直し」と言うそうです。その際肝心なことがあります。本の間にシオリがはさまってないかチェックし、あれば必ず抜く。紀伊国屋で買った本に他の書店のシオリがあったら、こりゃまずい!

ところで、自分で出版した本を本屋で買ってまた問屋に回すと、損益はどうなる?なんてご質問をいただくことでしょう。
実は、エコール・セザムと問屋との間には取引契約がありまして、当社で出版した本は66パーセントで仕入れることに決められている。『英単語呂源1』は、本体価格(税別)が1,600円、卸値は1,056円。消費税は別として、本屋で買ってまた問屋に回すと、1冊544円の損。
200冊で、108,800円の損になるわけです。

また、ご質問ですか?
なぜ、そんなバカみたいなことをやっていたのかって?
それもこれも、第2巻が出るまでは、なんとしてでも平積みの場所を譲らない! とくに重要な書店では、と頑張っていたのです。
この間語学書や学参ではいろいろな新刊が現われ、本当に大変でした。なかでも『萌える』とか『恋する』とか少女趣味の単語集が強敵で、オジサンは戦っていたわけなんです。春に『単語呂源』2冊がそろって並ぶ日を夢見て……。

つまり、こうなんです。私が自分の出版社から本を出してすぐ分かったことは、書店というのは(というより店員ですが)、本の内容よりもその売れ行きばかりを気にしている。書店員は売っている本なんかろくに読みもしない。本をきれいに並べては、「お店屋さんごっこ」をしている人たちが多いんですね。平積みや面出しにして1週間、1冊も売れないとその本に対して不信感を持ち始める。
そして、この本はあまり売れないんじゃないかと思い始めると、途端に扱いが悪くなる。だんだん置く場所も隅や奥のほうに追いやられ、最後は「棚ざし」と言って1、2冊書棚に縦に入れると、残った本を返品にしてしまう。取次店(本の問屋)に返してしまうわけです。

その逆もある。初めは売れないかもしれないと思って片隅に積んでおいた本でも、1冊、2冊と売れ始めると、(ありゃ? もしかしてこの本面白いのかも)ということになる。そのうち積んでいた本があとわずかとなった時、あせって追加注文するんです。しかも、今度は置く場所も変わって、人目につきやすい所になる。それで、さらに売れやすくなるという次第です。

これでお分かりでしょうか。私がバカみたいに自分の本を買い続けた理由が。
ただし、私一人で本屋を回るには限界があります。そこで、書店を回って、売れ行き調査をしながら、同時に本の買い付けも行う部隊を編成しました。ひと呼んで「セザム忍者部隊」。
少数精鋭(?)で、隊員は私を含め現在4名。隊長はこの私で、隊員番号001。あと002と003と004がおります。今のところ首都圏中心に隠密活動を行っていますが、彼らの間抜けで思わず笑ってしまう働きぶりについては、次号でご紹介しましょう。
また、いつの間にか私の回りに集まってきた面白い人たちのことや彼らが織り成す人間模様についてぜひ記事にしたいと思っていますので、お楽しみに!

では、またすぐに。

2004.3.20 キス。


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